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好奇心の発露


by shes_inn
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ダーク・タワー7 暗黒の塔

読了。
。。。。。。。。。。。。。
終わりました。長いひとつの旅が・・・。
生きてるうちに読めました。
感動的な、極めて感動的なひと幕を終えた後の、後日談のような、おまけのような、実はそれこそが肝のような、最後の件は、意外であるような納得できる最後でありました。
思うに、ローランドという人物は、どんなパラレルな世界にいたとしても資質は変わらないだろうし、エルドの末裔、最後のひとりであり、高潔なガンスリンガーなのでしょう。しかし、それでいながら、ひとつの旅の中で、きっと変わっていき、だからこその旅なのでしょう。
そして、彼に救われた世界もまた、同じようで違う世界であり、ひとつの旅の中で、変転してゆくのでしょう。
難しいことはわからないけれども、それにしても人間の想像力というのは果てしないもので、だからこそ、素晴らしくも恐ろしい。
想像力に欠けた、想像するのをあきらめ、与えられるままに生きるほうが楽だと、そうなったときには、また、それはそれで恐ろしい。
あらゆる思想や想像や恐れや希望が錯綜するなかで、やっぱりそれでもキングは最後は温かい。
やめられませんなあ。

私の旅の仲間たちへの、贈る言葉、なんてね。

オイ・・・君の最期は君が登場してすぐに書かれていて、私はいつもそれが怖くて怖くて。君はどれだけか賢く、勇気があり、けっして後ろを向くことなく、前を向き、自分の役割を知っていた。エイクといつか開拓地の果てでまた巡り会えることを・・・。

ジェイク・・・なんてかわいそうな少年。そして勇気のあるかわいい息子。少年は知ることが多ければ多いほど、悲しい。しかも、タッチが強い君には、辛いことも多かったろう。心の父たるローランドに見捨てられ、一度ならずも命を落とす少年が、それでも愛する指導者(デイン)は、やがて君の真の父となる。永遠の少年。

エディ・・・そして仲間を救った男。愛に常に飢え、だからこそ、愛深き男。あなたの存在がどれだけ緊張の中でもゆるさを作り、それが<カ>を支えたか。ガンスリンガーへの道のりで常に人との距離の取り方が不器用でいながら、それを失わずにきたからこそ、<カ・テット>は素敵だった。スザンナのかけがえのない夫。ローランドを「とうさん」と呼んであげた愛深き男。

スザンナ・・・強さは、女の武器である。あなたの中にはふたりの女がいて、引き出しという逃げ場所があり、その深い底なしの穴が体の真ん中を貫いていた。しかし、ローランドがエディがあなたを救い、あなたとなった。愛で男たちを包む足のないスザンナ。果たして障碍とは、ハンディキャップとは。ローランドは最後に弱さをあなただけには見せた。母なる女性。その強さに私は憧れます。

ローランド・・・比類なき高潔なデイン。しかし、冷酷なガンスリンガー。魅力的な老体。あなたの<暗黒の塔>への揺るぎなき思いは、それこそが<運命>。その道程を見る十九段の階段の連続は、果たして何を意味するのだろうか。
私の大きな心残りは、前の<カ・テット>の<カ・シューム>となった、そう、角笛をなくした戦いの詳細が、結局語られなかったことだ。「そこまで汝は知りたいか?」あなたはそう言うのだろうか?

ほほほ。楽しいねえ。また、繰り返し読むとして、その前に「不眠症」読まねばならないなあ。忙しい、忙しい。
by shes_inn | 2007-01-10 01:07 |