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好奇心の発露


by shes_inn
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谷敦志 写真展「眼球譚1」山口椿の演奏で

昨日、行ってきました。

つまり、私としては、今までの人生で、覗き込むことのなかった世界でしたねえ。
でも、興味深く拝見、拝聴してきました。

谷敦志さんとは、かなり個性的な写真家ですが、写真を使ったアート作品ですね。
つまり、写真のコラージュで、世界を描く感じかしら。でも、セッティングでかなりのところまで作り込んでいるみたいで、じっくり見れば見るほど、面白い。

で、テーマは何かというと、エロス、SM、とかゴシックとか・・・。
私のキャラからするとねえ。違うでしょう? 私だって、Kさんに誘われたから来たけれど、行ってみて初めて「へ〜〜〜」って。

でも、これが不思議といやらしくないというか、エロくないというか。
きっと文字でその写真作品の表現を書くと、それはエロでしょう?と思うでしょうけど。
いや、本人は、エロスを表現しているはずだから、それを見て欲情しなければどうよ?なのかと思ったら、「眼球譚」という小説をテーマに作品を作らないかと持ちかけられて作ったと聞き、で、「眼球譚」って何?って調べたら、思い切りエログロの極地のジョルジュ・バタイユの処女小説なんですって。知らないよー。でも、いわゆる意識の低いエログロではないようです。三島由紀夫がそう言ってるらしい。

そこには、宗教という背景があっての作品と聞き、その辺がこの写真展にも影響しているのかなと。

例えば、ものすごく作り込まれたその世界の1点には、カーテンに囲まれたなかに、イノセントな人形のような(実際、針金で足や手がつられているように伸びているし)女性が(かわいかったりロリ系でもないんだよ)、ボンテージ系のかっこうをしていたりするんだけど、そのカーテンの真ん中、絵の中心の少し上に気がつかなないくらいに、逆さに十字架のキリスト像がまぎれていたりするの。下のほうには、卵の殻が散乱し、たぶん、聖書の上には、卵が(目玉だねえ)割られ、女性の性器の部分には虫眼鏡が置かれ、その中には、ブルーの黒目?の眼球が見える。(いや、驚いたのは、眼球をそこに入れて、しっかり虫眼鏡をセットしたんだってのには。明らかに、はめ込み画像かと思ってたのに!)でね、大きなその作品には、文字の羅列がレイヤーで敷いてある。よく見ても何語の文字かわからなくって、アラビア語に似ているんだけど、違うなあと。で、コーランのようなものかしら?と思っていて、気になっていたの。そうしたら、会場を出るときにご本人が私たちに(会場でイラストレーターのSさんと一緒になって)声をかけてくれたので、何語がうかがったら、ヘブライ語の聖書だって。な〜〜るほど。

で、女たち(途中で、インターネットで探して初めて観に来たという若いかわいい眼鏡の女性と一緒になり、さらに私たちを誘ってくれたKさんとも合流し)が駅までの道のり、「でも、エロくはないよねえ。というか、今日、女の人が多かったし」「一番エロかったのは、山口さんだよ」「そうそう、こないだの、寺山修司のときも、ベリーダンスの人やストリップ系のパフォーマンスのダンサーの女性より、山口さんがエロかった」「そうそう」という話題で盛り上がった。
で、その山口椿さん。チェロを即興的に演奏するのだけれど、今回は、あらかじめ録音されたフランス語の詩や演奏に生の演奏が加わるが、PAを通したチェロの演奏で、今回初めてチャレンジしたんだそう。映像は、谷さん作の8ミリ作品のようなアートな作品で、演奏とよくマッチ。最後のほうは、エフェクトでディレイをかけてのチェロ。若干汚い音が出てくるのは残念だったけど、面白かった。赤い照明に照らされて、「やっぱ、山口さんの照明は赤だよねえ」という意見に、みなうなずく。

なんか、世が世なら、女子があのような作品群をなめるように見て、「あの貼ってあったお花のシールは、お買い上げしたあとは、はがして飾れるんですよねえ」なんてことをあっけらかんと話しちゃうなんて、ありえなかったでしょうねえ。

で、谷さんのミニトークショーもあったのですが、2度ほどつまんないギャグをかましておりました。関西人の性ですね。トークで笑いは取らねばならぬ。東京ではイマイチ通じなくて残念。作品のイメージとちょっと違い、とっても気さくなお人とお見受けしました。

最初の頃は、恋人や(元)妻を撮っていたけれど、撮ってくれというオーダーが増えてそういう人を全部撮っていたんだけど、最近はまた戻して(選んで)いるんです、って言ってました。
で、帰り道のガールズトーク「撮ってほしい人ってそんなにいるんですねえ、SMですよね」「いるんだよ」「へ〜〜」

ド素人ですから、私たち。
で、途中参加のメガネちゃん、かわいい真面目そうな若い女子なのに、新宿に(SMや猟奇写真を集めた)美術館?があって、水曜のある時間帯だけは女性専用なんです、とかいう、レアな情報を持っていて、この子大丈夫か?と少し心配になった私です。

いやしかし、こんなのブログで書いたら、荒らされそう。お手柔らかにね。

くわばらくわばら
by shes_inn | 2010-06-18 00:25 | ライヴ