ボルベール<帰郷>
2007年 07月 02日
スペインのアムドバル監督新作。
ベネロペ・クルスが母をどっしりと演じて秀逸。
女の映画です。
最初はサスペンスタッチでどうなるのかと思ったけれど、結局描いているのは女性が生きているその場その場。
女性はこれは世界共通なのかなと思うのだけれど、基本、立場が弱い。というか生活が人生の大半を占めているのだ。生活することが血となり肉となる。そして、心にもなるのだ。
最初のお墓のシーンが圧巻だ。鮮やかな花に囲まれそれぞれの墓を熱心に洗う女たち。男もいるけれど、わずか。
「しょうがないよ、たいがい女のほうが長生きなんだから」って(笑)。
そういったシーンの細かいところひとつひとつに女たちのひとりひとりのキャラクターや人生や生活がにじむように出てくるのがすごい。年齢に関係なく、強い女は強い。優しい女は優しい。どうしようもなく、いいところと欠点が入り交じるのだ。
サスペンスも次第にいろいろなことがわかってくると、生活のほうが大事だし、我が子や兄姉、母を思い、隣人を愛するほうが大事になってきて、それも当たり前となる。
世界中で流されているテレビもニュースもなんと表層的なことかと、ハタと思う。モラルも法律も良識や常識さえも。
母として我が子のために、なんとしても守ろうというところから、最後、娘に立ち返ったときのペネロペのはかなさ。
しかし、こういうきっと世界共通の「女性」を描く、凄腕のゲイの監督は、ほんとうにただものではない。
今回の作品も、映画を見終わってからが深く考えさせられ、心を揺さぶられるのだ。
ベネロペ・クルスが母をどっしりと演じて秀逸。
女の映画です。
最初はサスペンスタッチでどうなるのかと思ったけれど、結局描いているのは女性が生きているその場その場。
女性はこれは世界共通なのかなと思うのだけれど、基本、立場が弱い。というか生活が人生の大半を占めているのだ。生活することが血となり肉となる。そして、心にもなるのだ。
最初のお墓のシーンが圧巻だ。鮮やかな花に囲まれそれぞれの墓を熱心に洗う女たち。男もいるけれど、わずか。
「しょうがないよ、たいがい女のほうが長生きなんだから」って(笑)。
そういったシーンの細かいところひとつひとつに女たちのひとりひとりのキャラクターや人生や生活がにじむように出てくるのがすごい。年齢に関係なく、強い女は強い。優しい女は優しい。どうしようもなく、いいところと欠点が入り交じるのだ。
サスペンスも次第にいろいろなことがわかってくると、生活のほうが大事だし、我が子や兄姉、母を思い、隣人を愛するほうが大事になってきて、それも当たり前となる。
世界中で流されているテレビもニュースもなんと表層的なことかと、ハタと思う。モラルも法律も良識や常識さえも。
母として我が子のために、なんとしても守ろうというところから、最後、娘に立ち返ったときのペネロペのはかなさ。
しかし、こういうきっと世界共通の「女性」を描く、凄腕のゲイの監督は、ほんとうにただものではない。
今回の作品も、映画を見終わってからが深く考えさせられ、心を揺さぶられるのだ。
by shes_inn
| 2007-07-02 00:02
| 映画