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好奇心の発露


by shes_inn
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ヴェラ・ドレイク

ヴェラ・ドレイク_a0064290_05226.jpgこれはシリアスな映画で、しかも、胸に迫る映画だった。さすがに主演のイメルダ・スタウントンは、もう女優だとかなんだとかじゃないねえ。その人そのものだ。人のことに一生懸命でいい人で、ただそれが仇になり不法な堕胎施術を行うヴィラ。その家族も彼女を心から愛している。警察に捕まっても夫をはじめ「自分のとって母だった」と慕うその弟は、罪は憎んでも彼女は許し助けなくてはと心から思う。息子は複雑だ。裏切られたことに反発する。その息子に許すのだと諭す父がいい。
そして、彼女に声をかけられ、どんなにか恩に思ったのだろう。娘に求婚した男の、情がいい。
彼女がいやで仕方がない弟の妻だって、夫のためには我慢だってする。
しかし、いつも望まぬ子どもの問題はいつも女がひどい目に遭い、いつでも裕福な家庭と貧しい家庭の差は大きい。だからといって、今の日本のような堕胎放題も問題だけどなあ。
助けるというのは、誰を何から助けるのか。そこがぶれると悲惨なことが起こるのだ。
警察が実に警察らしく、折り目正しく人権を守る感じがイギリスらしい。法廷シーンもよかった。
最後の静かで悲しい終わり方も。
by shes_inn | 2006-03-17 00:05 | 映画