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好奇心の発露


by shes_inn
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運命の三人

運命の三人_a0064290_21222.gif読破しました。楽しかった。挿絵はなんだかなあ。ちょっと違う感じがする。小さいときに読んだ『少年少女世界名作全集』の「ああ無情」のコゼットの挿絵のようなインパクトはないな。あの本は、生まれて初めて読んで感動した本の気がする。心が奪われた。なぜか? お話の力だと思う。
そんなお話の力、キングは抜けている。
運命の三人は、「暗黒の塔」へ向かう三人の仲間を<黒衣の男>がタロットカードで占う(前巻の最後)、その三人が集められるところまでが描かれる。
舞台装置は完璧だ。何もない海岸。砂浜。海はこの場合、壁のようなものだ。ローランドは海を生涯初めて見るのだ。
生物は、運命の三人と伊勢エビの化け物のような、恐ろしい敵であり、たった一つの食料だけ。あとは水をくめる小川のみ。ただひたすら進むのみ。遠くで山猫の声だけはする。最後の最後に森に入って、ようやくまともな肉にありつくまでは、すごいよ、それだけだよ、食べ物。(サンドイッチとかは現代に行ってるときちょろっと出てくるけど。そうなの、タイムトリップ??あり)
そのエビの化け物は、のっけにガンスリンガーから右手の指2本と足の親指を食いちぎる。命の危険を与えられ、物語の最初から最後までその瀕死のローランドなのだ。銃弾(手作りだよ!)だって水に濡れ、使えない不発弾が多数。
そして現れる扉。そう、扉の向こうは・・・
こんなお膳立てだけでワクワクするじゃない? サバイバル小説ともいえる。
第1巻は、近未来西部劇のような、その後の世界のようなアクションから、中世の騎士の世界に通じるようなガンスリンガーの過去が語られ、妖術が出てきて、しまいには脳内宇宙をさまよいという、『暗黒の塔を目指す長いお話』のイントロダクションで、次々に景色が変わる物語だったのだが、直接<暗黒の塔>を目指すお話のスタートとなり、第2巻のこれは、「指輪」で言えば旅の仲間が結成するまでのお話。それにしても過酷な仲間探しの道のりだ。久々に読んで、笑えるくらい覚えてなかったのにはあきれたけど。それだから楽しめたんだけど。記憶力ないなあ、私・・・。
今まさに仲間はそろった。
第3巻の「荒地」は、ゲームの巻だ。近未来、荒れ地の中に残されたハイテク電車、知能を有するコンピュータとの戦いの巻だ。いきなりだけどすごい展開になってゆくのだ。なぜかなぞなぞ合戦になったりした記憶が・・・。
細かいところは覚えていないので、また読めば丸ごと楽しめるに違いない。かつて分厚い単行本を図書館で借りて読んでたときは、会社の行き帰り重かったな。
そろそろ新刊で出てるはず。ほほほ。楽しみだわ。
by shes_inn | 2006-01-28 02:47 |